糖鎖 CARBOHYDRATE CHAIN
糖鎖(とうさ)とは?
糖鎖とは、一般にグルコースやフコースなどの単糖が複数つながったものを指します。
※グルコースが2つ連なったものが”ブドウ糖”
ポリマー
あまり聞いた事がない名称かもしれませんが、ポリマー(polymer)とは一般に、非常に多数の原子が共有結合してできる巨大分子(macromolecule)のことです。
ポリマー(重合体)は「大きな分子、あるいはその集合体」を指す広範な概念で、「単量体(monomer)の繰り返し構造を持つ大きな分子」を意味します。
ホモポリマー
でんぷんやセルロースなど、単一の糖だけから構成される糖鎖栄養素は「ホモポリマー」と呼ばれて分類されています。
β-グルカンも、単一の糖(グルコース)の多糖体で、ホモポリマーです。
ヘテロポリマー
一方、今その重要性が注目されているのは、1種類の同じ単糖だけが連なったホモポリマー
ではなく8種類の単糖(グルコース、ガラクトース、フコースなど)の中から、複数種類の単糖が連なって構成されている糖鎖です。
これは複合糖鎖(複合糖質とも、英語でglycocon-jugateとも)と呼ばれています。
これらは、「ヘテロポリマー」に分類される生体物質です。
複合糖鎖は発生、分化、生殖など様々な分野に深く関わっていて、私たちの生命活動にとって大変重要な物質であることが分かってきました。
「生命情報」というと多くの方がまずDNA(デオキシリボ核酸)を連想すると思います。
DNAは細胞の中の「核」に温存されているのに対し、糖鎖は細胞表面に膜タンパク質や糖脂質として発現したり、分泌タンパク質付加したり、さまざまな機能の場で働いています。
いわば「現場分子」といえます。

上の写真は、血管を輪切りに撮影したもので血管細胞を大きく拡大したものです。
細胞の壁から毛のようにびっしり生えているのが「糖鎖」世界中の科学者が驚いた有名な写真です。
このヒゲのように伸びたアンテナが「糖鎖」体内で重要な役割をしてることが近年明らかになってきました。
DNA解析を終えた我々人類は次の「希望」として、この糖鎖の研究を開始しています。