クルクミンをナノカプセルに入れた場合の血中クルクミンの動態による吸収力試験
秋ウコンの機能性成分 ”クルクミン”は、親油成分(油に溶ける性質)のために水に溶け難く、また水中でクルクミン同士が凝集するために腸管からの吸収が非常に悪いので少量では期待される特性が得られ難い問題があります。
そこで、通常の状態のクルクミンおよびナノカプセル化処理をしたクルクミンをラットに経口投与した場合の血中クルクミン濃度を測定し、クルクミンをナノカプセル化した場合の吸収向上について検証しました。
採血はサンプル投与後、30分、60分、120分に行い、得られた血液から血漿を調製し、クルクミンを多段階抽出してクルクミン濃度を測定、算出しました。
その結果、クルクミンのみの投与群における血中クルクミン濃度と比べて、ナノカプセル化クルクミン投与群の血中クルクミン濃度は5~10倍高く、30分~120分において有意差(P<0.01)を示しました。
【図5】
【図5】
以上の結果より、クルクミンをナノカプセル化することで、胃酸や腸液の激しい環境からクルクミンを保護し、更に吸収率を高めることで、血中クルクミン濃度がより高められると考えられます。
よって、通常のクルクミンに比べ、ナノカプセル化クルクミンにより高い機能性が期待できます。また、秋ウコンにはクルクミン以外にも様々な食品機能成分(クルクミン誘導体等)が含まれているために、今回の結果は秋ウコンをナノカプセル化した場合、クルクミン以外の成分も同様に吸収率が高まることで、期待される特性が得られ易い事が示唆されました。