遺伝子、DNA、核酸、よく聞くキーワードですが、一体どんな成分で、体内でどのような役割を担っているのか?どのような事で補えばいいのか?核酸について簡素にまとめてみました。
人間が生きていくうえで必要不可欠な栄養素と云えば、五大栄養素である炭水化物(ブドウ糖)、タンパク質(アミノ酸)、脂肪(脂肪酸)、ビタミン、ミネラル、それに食物繊維を加えた6つが広く知られています。 そして第七の必須栄養素として知っておくべきもの・・それが「核酸」です。 私たちの体をつくっている細胞は、おおよそ60兆個あるといわれています。 この想像しがたい多くの細胞のひとつひとつに核酸は必要なのです。 細胞分裂、核分裂して新しい細胞をつくる時に、絶対必要な栄養成分が「核酸」です。
DNAは細胞の核内に存在しています。構造は細長い糸状をしており体細胞ではヒストン、精細胞(精子になる細胞)ではプロタミンというたんぱく質に巻きついた形をとっています。この物質を核タンパクと呼びます。 ヌクレオチドは核酸の最少単位といえるもので、リン酸、糖(デオキシリボース)、塩基が結合して出来ているものです。 このヌクレオチドが鎖のように、たくさんつながり二重らせん構造をしているのがDNAです。 人間では、ひとつの細胞核の中のDNAを全部つなげると、約30億個の塩基対が並んでいます。 このDNAが分裂して細胞が増えていくのが細胞分裂です。 また下記で紹介している、もうひとつの核酸・RNAをつくると云われています。
RNAもヌクレオチドが鎖状に多数つながった形をしています。 DNAとの違いは塩基の一つ、チミンがウラシルに、また糖であるデオキシリボースがリボースになっている点です。 RNAは1本のヌクレチオドから出来ています。 RNAには3種類の、それぞれ異なった働きをするものがあります。 DNAが支持する細胞の生成の一端を担う役割のほかアミノ酸の種類を選択的に選んで運んだり、DNAの遺伝情報を、たんぱく質製造場所に伝える役割を果たします。
核酸は分子量のとても大きいポリマーです。その分子量は1万程度から数百億。RNA分子はDNAに比べて小さく、分子量は35000程度から存在します。 肉,魚米、野菜...生物であれば細胞からできていますので核酸は含まれています。 核酸は、うまく体内利用するために長時間滞在する高分子核酸である必要があります。 つまり分解、吸収、そして核酸の合成に時間がかかる「高分子」である必要があります。 高分子の核酸はヌクレオチド・ヌクレオシドという核酸の構成成分に分解され吸収後、各細胞にて核酸合成に再利用されます。 しかし低分子状態で摂取すると消化過程で分解され過ぎて吸収利用されなくなってしまいます。 肉類で約半分、魚類では2/3が低分子核酸です。 これらを考慮して核酸を摂取する最高の食品を考えれば「サケの白子」が理想的です。 核酸の含有量が飛びぬけて高いだけでなく塩基バランスがたいへんよく、そのほとんどが高分子核酸です。 またビール酵母もかなり質のよい核酸食品です。 その他では海苔、はまぐり・牡蠣などの貝類,いりこ、大豆なども良質の核酸を含有しています 核酸は容易に消化、分解が進みますのでこの大きな分子構造のまま摂取して消化、吸収し血液を流れて肝臓に届く事が大事です。
DNAの中にある遺伝子は体をつくるタンパク質合成のための設計図の役割を担っています。 親の形質が子に伝わる遺伝現象はDNAの働きによるものです。 人間のDNAには、約10万種類のタンパク質を合成するための遺伝情報があります。 子供のDNAは両親の、それぞれのDNAが一つに合成されたものです。 DNAは設計図としての役割のほかに、もうひとつ大きな役割があります。 それは、「自己複製」です。 人間は、たった一個の受精卵細胞が成人するまでに60兆個に増殖します。 また体内では古い細胞が死に、新しい細胞が生まれるを繰り返していますがこれもDNAの自己複製です。
RNAにはmRNA・tRNA・rRNAなどの種類があり、お互いが協力してタンパク質合成の一端を担っています。 核酸を多く含む食品等から栄養バランスを考えて上手に摂取しましょう。 しかし、現実は一日の食事で摂れる核酸の量は、せいぜい1gぐらいです。 その結果核酸不足を招くことがあります。 核酸不足は身体に重要な影響を及ぼすことになりますので、補助食品を使うことも有効な手段です。 補助食品による核酸の一日の摂取量は食生活などによってそれぞれ異なるのは当然ですが、目安としてはおおよそ若い人なら1日/300mg高齢者なら1日/500~1500mgを摂取すれば良いとされています。
成人の場合、細胞は約60兆個あると云われています。 そのうち、約半数の約30兆個は血球細胞(赤血球や白血球)です。 赤血球は、その三分の二のおよそ20兆個で、寿命は約120日程度。 そのため脊髄では毎日2000億弱程度の赤血球が作られています。 残りの多くは血小板などの他の血液成分です。 免疫などを司っている白血球は種類も多く、個体差や性別、年齢などでも違うので一概に表現するのは難しいのですが、体重50kgの成人で約2億4000万個~3億2000万個程度存在しています。 白血球の寿命は短く、ほとんどは数時間程度の寿命で寿命が一番長い種類のもの(リンパ球)であっても、多くは数日で寿命を終えます。 つまり、体内の半分ほどの細胞である血球はすべて非常に短い単位で入れ換わって人間の生命活動を支えていると云う訳です。 血液は、酸素や栄養分を運び、老廃物を排出させたり、免疫機能の大半を担っています。 すなわち、血液細胞が活動し、若くて元気な細胞に溢れていることが私たちの健康の源であるといっても過言ではありません。 それでは体細胞の寿命はと云うと、およそ4カ月です。 脳神経細胞を除くすべての細胞が、ほぼ4カ月周期で入れ換わります。 心臓、腎臓、胃腸などは、だいたい20日位で更新されるといわれていますし、腸内の消化酵素にさらされている局面の細胞などは数日で入れ換わっています。 こうした生命活動のもとになる重要な材料となるのがたんぱく質であり、細胞内の核の素材源となる「核酸」なのです。